メリヤスウエスとは?メリットや使い方、導入時の注意点も紹介

「消耗品だから安く仕入れたい」 「毎日使うものだから、安くてたくさん入ったものを買いたい」 現場作業で使わない日はないウエスだからこそ、 そう考える購買担当の方も多いのではないでしょうか。 今回は価格の安さと使いやすさで重宝される「メリヤスウエス」を紹介します。 メリヤスウエスにはいくつか種類があり、それぞれ適した用途や価格も違いますが、 自分たちに合うものを選べば、コストダウンにつながり、現場からも「使いやすくていいね」と 喜ばれるウエスです。 初めてメリヤスウエスを使う方のために「メリヤスウエスとは何か?」についてはもちろん、 メリットや使い方、導入時の注意点も解説しますので、参考にしてください。

メリヤスウエスとは?

メリヤスウエスは布ウエスの一種で、水や油など液体の吸収性がよいため、 機械のメンテナンスや清掃、製品の油の拭き取りなどに使われるウエスです。 メリヤスウエスには新品の生地で作ったものと、 家庭から出た古着や売れ残りの衣類から作ったリサイクル品の2種類があります。 リサイクル品の場合、主にTシャツ、肌着、スウェット、ポロシャツ、トレーナーなどの古着が 原材料で材質は主に綿ですが、一部ポリエステルなどの化学繊維も含まれます。 なお「メリヤス」とは「メリヤス編み」という編み方で作った衣類を指す言葉で、 Tシャツ、肌着、靴下など身近な衣類で多く用いられています。

メリヤスウエスのメリット

メリヤスウエスのメリット 工場の生産現場をはじめ、様々な場面で使われるメリヤスウエスのメリットを4つ紹介します。
  1. 価格が安いのでコスト削減になる
  2. 油汚れの拭き取りに適している
  3. ペーパーウエスよりも丈夫で破れにくい
  4. 環境に優しい

1.価格が安いのでコスト削減になる

メリヤスウエスの最大の特徴は価格の安さです。 メリヤスウエスには、いくつか種類があるので一概には言えませんが、 一番安いものだと1キロあたり200円以下の価格で購入できます。 一方ペーパーウエスの場合、メーカーや商品にもよりますが、 安いものでも1キロあたり約500円なので、メリヤスウエスの価格の安さが分かります。 「ペーパーウエスを使わなくてもいい作業には、メリヤスウエスを使う」 とするだけでもコスト削減になるでしょう。

2.油汚れの拭き取りに適している

メリヤスウエスは油をよく吸うので、 油汚れ、溶剤、塗料、インク、グリース、オイル、コーキング材の拭き取りなどによく使われます。 例えば生産工場なら、クーラント、潤滑油、切削油の拭き取り、飲食店のフライヤーやキッチン周りに飛び散った油、ローラーや刷毛についた塗料の拭き取りなどです。 なお機械のオイルパンにたまった油を吸わせたいなど、 多めの油を処理したい場合は、メリヤスウエスよりも吸収力の高いタオル系のウエスをおすすめします。 タオル系のウエス一覧を見てみる

3.ペーパーウエスよりも丈夫で破れにくい

メリヤスウエスは布なので、ペーパーウエスよりも丈夫で破れにくいです。 水や洗剤、アルコール、溶剤でぬらしても破れませんし、 引っ張ったり、雑巾のように絞ったりしても大丈夫です。 そのため、換気扇などの頑固な油汚れを落とすときに力を入れてガシガシ吹いたり、 自転車のチェーンなどゴツゴツした金属部品や、角ばった部分を掃除するときでも安心して使えます。 また生地が柔らかいので、拭き取りの際も傷をつけにくく、 洗って乾かせば繰り返し使えるので、とても経済的です。

4.環境に優しい

メリヤスウエスの主な材質は綿なので、焼却時にダイオキシンの発生が少なく、地球環境に優しいというメリットもあります。 また家庭から出た古着などが原材料なので、製造時に使うエネルギーが少なく、CO2もほとんど排出しません。そのため、省エネやごみを減らすことにもつながります。 白メリヤスウエスの一覧を見てみる 色メリヤスウエスの一覧を見てみる

メリヤスウエスの種類と使い方

メリヤスウエスを購入する際、ウエスのメーカーや通販サイトを見ると、 大きく分けて以下の2つのラインナップがあります。 ①白メリヤスウエス ②色メリヤスウエス ①の白メリヤスウエスを購入すると、白いウエスだけが入っています。色付きのウエスは含まれません。 一方、②の色メリヤスウエスには、赤や青など様々な色のウエスが混合して入っています。 メリヤスウエスは白か色つきかで使い方が少し異なり、 価格も2倍以上変わるので、目的に合ったものを選ぶことが大切です。 順番に解説していきますので、メリヤスウエスを選ぶ際の参考にしてください。

白メリヤスウエスの種類と使い方

まず、白メリヤスウエスの種類と使い方を紹介します。 メーカーや通販サイトにもよりますが、白メリヤスウエスには次の4つの種類があります。
  1. リサイクル 白 メリヤスウエス(中古)
  2. 新品 縫い合わせ 白メリヤスウエス(つぎめあり)
  3. 新品 白 メリヤスウエス(つぎめなし)
  4. 新品 白 メリヤスウエス(洗い済)

1.リサイクル 白 メリヤスウエス(中古)

中古の白いTシャツや肌着、ポロシャツなどをウエスとしてリサイクルしたものです。 白メリヤスウエスの中では、一番価格が安くなります。 価格が安い分、出荷前の洗浄で落ちなかった汚れや黄ばみが残ることもありますが、 生地が柔らかく油をよく吸うので、工作機械や重機の清掃、機械部品の油汚れの拭き取りなどによく使われます。 また色のついていない白色の生地のため、洗剤や溶剤をつけても色落ちしません。 そのため、色移りが起こってはいけない作業にも向いています。 日本では「白=清潔感」というイメージがあるので、 お客様の自宅や会社に訪問して作業するときや、お客様の大切な車やバイクを整備するときなど、 お客様の目の前でも安心して使えるのが、白メリヤスウエスのいいところです。 ほかにも、白メリヤスウエスは下記のような作業にもおすすめです。
  • 木材へのオイルステイン塗布やワックスがけ
  • 介護やペットシーツ、ペットのトイレ用として
  • パーツクリーナーを塗って、工具の清掃
  • 余分なボンドやコーキング剤の拭き取り
  • オイルやクーラントの汚れ具合の確認
  • 靴クリームを塗って、革靴のつや出し
  • 工具や製品の運搬、保管時の緩衝材
  • 自動車の整備時のオイル漏れの確認
  • 洗車後の拭き上げやワックスがけ
  • 金属部品へ錆止め油を塗る
リサイクル 白 メリヤスウエスを見てみる

2.新品 縫い合わせ 白 メリヤスウエス(つぎめあり)

Tシャツを作る工場から出た、新品の生地の切れ端を縫い合わせたメリヤスウエスです。 縫い目(つぎめ)がありますが、中古ではなく新品のウエスとなります。 なお縫い目のことを、英語でステッチというので「ステッチメリヤスウエス」と呼ぶこともあります。 新品なので、リサイクルの白メリヤスウエスより価格は上がりますが、 3.の新品つぎめなしの白メリヤスウエスより安く購入できるので、 新品を使いたいが価格も重視したいときにおすすめです。 油汚れの拭き取りはもちろん、新品で柔らかい生地なので、 製品の出荷・梱包前の汚れ取り、自動車のアルミホイールのつや出し、 印刷機のローラー洗浄などにも使えます。 また白色なので、洗剤や溶剤を使っての作業でも色落ち・色移りを心配しなくて大丈夫です。 つぎめがあるので、清掃などの際に拭きムラができることもありますが、 つぎめの部分で裂いて使えるので、ウエスとしての実用性は十分です。 一方、新品の生地なので、油や水の吸収性があまり良くありません。 もし吸収性を重視する場合は、リサイクルの白メリヤスウエスか、タオル系のウエスをおすすめします。 新品 縫い合わせ 白メリヤスウエスを見てみる

3.新品 白 メリヤスウエス(つぎめなし)

こちらは、新品でつぎめなしの白メリヤスウエスです。 新品で生地が柔らかいので、完成した製品の仕上げ拭き、精密組立時の部品の汚れ拭き、家具や板金のつや出しなど、汚れを完全に拭き取りたいときや、仕上げの磨き作業に適しています。 つぎめがないので作業しやすく、拭きムラも起こりません。 ただ、新品の生地なので、油や水の吸収性はリサイクルの白メリヤスウエスより劣り、 かつ価格も高くなるので、選定の際は目的とする作業に必要か検討するといいでしょう。 新品 白 メリヤスウエスを見てみる

4.新品 白 メリヤスウエス(洗い済)

こちらも新品でつぎめなしの白メリヤスウエスです。 上記3.との違いは、新品の白メリヤスウエスの吸収性の悪さを改善している点です。 具体的には、新品の白メリヤスウエスを何度も洗浄することで、 吸い込みの悪さの原因となっている、繊維に付着した薬品や油分をきれいに洗い流しています。 そのため品名に「洗い済」とついており、 リサイクルの白メリヤスウエスに負けないくらい、油や水の吸収性がよくなっています。 洗浄の手間がかかる分、白メリヤスウエスの中では価格が一番高くなりますが、 「新品で吸い込みもいい白メリヤスウエスがほしい」とこだわる方にはおすすめです。 新品 白 メリヤスウエス(洗い済)を見てみる

色メリヤスウエスの種類と使い方

次に、色メリヤスウエスの種類と使い方を紹介します。 メーカーや通販サイトにもよりますが、色メリヤスウエスには次の3つのラインナップがあります。
  1. リサイクル 濃色 メリヤスウエス(厚地)
  2. リサイクル 濃色/淡色 メリヤスウエス(薄地)
  3. 新品 淡色 メリヤスウエス(薄地)

1.リサイクル 濃色 メリヤスウエス(厚地)

こちらは黒のトレーナーなど色が濃く、生地が厚めの古着をウエスとしてリサイクルしたものです。 メリヤスウエスの中では、最も価格が安くなります。 厚みがあるので、細かな部分の清掃や製品の仕上げ拭きには向きませんが、 価格が安くて惜しげなく使えるので、工場の床の油汚れを拭き取ったり、 大量の油を吸い取ったりするときに便利です。 リサイクル 濃色 メリヤスウエス(厚地)を見てみる

2.リサイクル 濃色/淡色 メリヤスウエス(薄地)

こちらは普通の厚さのリサイクル色メリヤスウエスです。 黒など、色が濃いウエスがメインで入ったものと、 薄い青や薄い黄色など、淡色のウエスがメインで入ったものとの2種類があり、 価格は濃色タイプの方が安くなります。 細かな部分の清掃や製品の油汚れの拭き取り、余分な油やグリース、コーキング剤の拭き取りなどに向いています。 リサイクルの白メリヤスウエスより安いので、色がついたウエスを使っても問題ない作業なら、こちらを選ぶとコスト的に有利です。 オイル漏れの確認や、汚れの取れ具体を確認をしたい場合は淡色タイプを、工場の床や壁、機械などの油汚れを拭き取れればいいという場合は、価格が安い濃色タイプがおすすめです。 リサイクル 濃色 メリヤス(薄地)を見てみる リサイクル 淡色 メリヤス(薄地)を見てみる

3.新品 淡色 メリヤスウエス(薄地)

こちらは、新品の淡色メリヤスウエスです。 新品でつぎめもないので作業がしやすく、 新品の白メリヤスウエスと同じく、製品の仕上げ拭きなどに向いています。 しかしメリヤスウエスの中で価格が最も高くなるので、 「絶対に淡色の新品でなければならない」などの理由がない限り、 他のメリヤスウエスで代用するといいでしょう。 新品 淡色 メリヤス(薄地)を見てみる

メリヤスウエス導入の際の注意点

メリヤスウエスのデメリット 油や水の吸収性に優れ、丈夫で破けにくく、価格も安いなどメリットの多いメリヤスウエスですが、 いいところばかりではなくデメリットもあります。 特にリサイクルの色メリヤスウエスに多いデメリットになりますが、 「せっかく買ったのに全然使えなかった」ということにならなたいために、 メリヤスウエスを導入する際の注意点を3つ紹介します。
  1. 中古生地なので黄ばみや汚れ、臭いが残る
  2. サイズ、厚さ、色にバラツキがある
  3. 化学繊維の割合が高いものも含まれる

1.中古生地なので黄ばみや汚れ、臭いが残る

リサイクルのメリヤスウエスの場合、一般家庭などから出る古着が原材料なので、 古着特有の汚れや黄ばみ、臭いが残ることがあります。 まれに衣類のボタンがついたままというケースもあります。 もちろん出荷前に洗浄・検品されているので、ボタンがついたものばかりとか、 汚れや黄ばみがひどくて使い物にならないということはありませんが、 検品漏れの品が含まれることはあるので、気になる方には向かないかもしれません。

2.サイズ、厚さ、色にバラツキがある

リサイクルのメリヤスウエスの場合、原材料になる古着のサイズ、厚さ、色は様々です。 そのため、メリヤスウエス1枚1枚のサイズにもバラツキがあり、 ちょうどよいサイズのものが入っていることもあれば、そうでないこともあります。 また同じメリヤスウエス1kgでも、含まれる枚数が毎回異なり、 10枚のときもあれば、15枚入っているときもあります。 同様に色にもバラツキがあり、特に色メリヤスウエスを購入した場合、 黒や青、グレーなど様々な色のウエスが混合して入っているので、 特定の色のウエスだけがほしいということは難しいです。

3.化学繊維の割合が高いものも含まれる

メリヤスウエスの主な材質は綿ですが、一部ポリエステルなどの化学繊維も含まれます。 化学繊維を多く使った生地だと油や水の吸収性が悪く、 ウエスとして使い勝手がよくありません。 そのため普通は、 ------------------------
  • 綿100%
  • 綿90%+ポリエステル10%
  • 綿80%+ポリエステル20%
  • 綿50%+ポリエステル50%
------------------------ というように、綿の割合が比較的高い生地をウエスとして再利用しますが、 特にリサイクルの色メリヤスウエスの場合、「綿10%+ポリエステル90%」のように、 化学繊維の割合が極端に高いものが含まれることもあります。 化学繊維の割合が高いと油や水をあまり吸い込まないので、 購入したメリヤスウエスに、このようなものが含まれていた場合は、 例えば、床の油汚れを大雑把に拭き取るためにしか使えない、など用途が限定されてしまいます。

まとめ

メリヤスウエスを使うメリットデメリットまとめ 今回はメリヤスウエスのメリットや使い方、導入時の注意点について見てきました。 メリヤスウエスのメリットは、用途の広さと価格の安さですが、その一方、 特にリサイクルのメリヤスウエスの場合、汚れが残ることもあるなど品質が不安定な面もあります。 また新品かリサイクルか、白か色つきか、生地が厚いか薄いかで種類が分かれ、 価格も2倍以上変わるので、選定の際はどんな作業に使うかを明確にすることが大切です。 自分たちに合ったメリヤスウエスを選べば、コスト削減や作業効率のアップも期待できます。 本記事を参考に、ぜひメリヤスウエスを役立ててみてください。 白メリヤスウエスの一覧を見てみる 色メリヤスウエスの一覧を見てみる